公開日:2026年10月 / よつば調剤グループ 薬剤師
全国で流行中、群馬・栃木・埼玉でも「注意報」
今シーズンのインフルエンザは、8月28日に厚生労働省が全国的な流行入りを発表するという異例の早さで始まりました。例年は晩秋から春先にかけて流行しますが、現在の方法で調べ始めた1999年以降では、前年から流行が続いた2023年を除くと2番目に早いスタートです。9月時点では A型(H1N1) が主流と報じられています。
当薬局の店舗がある群馬県・栃木県・埼玉県でも患者が急増し、10月上旬にはそれぞれの県で「インフルエンザ注意報」が発表されました。
| 県 | 定点当たり報告数(9月28日〜10月4日) | 状況 |
|---|---|---|
| 埼玉県 | 19.66人 | 注意報 発令中 |
| 群馬県 | 11.13人 | 10月6日 注意報発令(昨シーズンより約1か月早い) |
| 栃木県 | 10.07人 | 10月8日 注意報発令(特に県南・安足地域) |
※「定点当たり報告数」は、県内の指定医療機関1か所あたりの1週間の患者数です。10人以上で「注意報」、30人以上で「警報」の目安とされています。
※ ここでは当薬局の店舗がある3県の状況をご紹介しています。ほかの地域にお住まいの方も、お住まいの都道府県の発表をご確認ください。
注意報は、流行がさらに大きくなるおそれがあることを知らせるものです。「まだ秋だから大丈夫」と思わず、今すぐ対策を始めましょう。
インフルエンザの主な症状
ウイルスに感染してから、一般に1〜3日ほどの潜伏期間を経て発症します。
- 38℃以上の急な発熱
- 頭痛、関節痛、筋肉痛
- 強いだるさ(全身倦怠感)
- のどの痛み、鼻水、せき
高齢の方や持病のある方、妊娠中の方、小さなお子さまは、肺炎やインフルエンザ脳症などの合併症で重症化することがあるため、特に注意が必要です。
「かぜ」とはどう違うの?
| インフルエンザ | かぜ | |
|---|---|---|
| 始まり方 | 急に発症する | ゆっくり発症する |
| 熱 | 38℃以上の高熱が多い | 微熱程度が多い |
| 主な症状 | 全身の症状(関節痛・筋肉痛・だるさ) | のど・鼻の症状が中心 |
| 重症化 | 肺炎・脳症などのおそれ | まれ |
「急な高熱」と「全身のつらさ」がそろったら、インフルエンザを疑いましょう。
予防のポイント
1. 予防接種(ワクチン)
ワクチンには、発症を抑える効果と、重症化を防ぐ効果があります。
- 効果が出るまで約2週間、効果の持続は約5か月とされています ※個人差があります。
- 13歳以上:原則1回、生後6か月〜12歳:2回(2〜4週間あけて)
- 65歳以上の方(および60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器などに一定の障害がある方)は、定期接種として自治体の費用助成が受けられます。自己負担額や接種期間は市町村ごとに異なりますので、お住まいの市町村のホームページや広報紙でご確認ください
- 2〜18歳のお子さまは、注射ではなく鼻にスプレーするタイプのワクチン(経鼻ワクチン)も選べます(1回接種。持病などにより受けられない場合があります)
今シーズンのワクチンは、流行予測に合わせて3種類の株すべてが昨シーズンから変更されています。また、厚生労働省によると今季の供給量は約5,190万回分で、例年の使用量を上回る見込みです。
💡 今年は流行が早いため、例年より早めの接種がおすすめです。 接種の時期や回数は、かかりつけ医にご相談ください。
2. 毎日の感染対策
- 手洗い:外出後、食事の前に石けんと流水で
- せきエチケット:せき・くしゃみが出るときはマスクを
- 適度な湿度:加湿器などで湿度50〜60%を目安に
- こまめな換気
- 十分な睡眠とバランスのよい食事で体力を保つ
- 流行期は、人混みへの外出を控えめに
インフルエンザのお薬(抗インフルエンザ薬)
インフルエンザの治療では、症状や年齢、重症化のリスクなどに応じて、医師の判断で抗インフルエンザ薬が処方されることがあります。
| お薬(主な商品名) | 使い方 |
|---|---|
| タミフル | 飲み薬 1日2回・5日間 |
| リレンザ | 吸入薬 1日2回・5日間 |
| イナビル | 吸入薬 1回のみ |
| ゾフルーザ | 飲み薬 1回のみ |
| ラピアクタ | 点滴 (医療機関で投与) |
これらのお薬は、発症から48時間以内に使い始めると、熱が下がるまでの期間を短くする効果が期待できます。
薬剤師からのお願い
- 「熱が下がったから」と途中でやめず、決められた日数を最後まで使い切りましょう
- 吸入薬は、正しく吸えないと効果が出にくくなります。吸い方がわからないときは、遠慮なく薬剤師にお声がけください
処方箋は、どの薬局でもお受けできます
「病院の隣の薬局に行かなければいけない」と思われがちですが、処方箋は全国どこの保険薬局でも使えます。熱でつらいときは、ご自宅や職場の近くの薬局で受け取るのがおすすめです。
インフルエンザのときに知っておきたいポイントです。
- 処方箋の有効期限は、発行日を含めて4日間です(土日・祝日も数えます)。抗インフルエンザ薬は早く使い始めるほど効果が期待できるので、できるだけその日のうちにお受け取りください
- ご家族など代理の方が処方箋を持って来ても、お薬を受け取れます。ご本人の体調や、気になる症状をメモしてお持ちいただくとスムーズです
- お薬手帳があれば、ほかのお薬との飲み合わせも確認できます
⚠️ 解熱剤の選び方に注意
インフルエンザのときに、一部の解熱剤をお子さまが使うと、脳症などの重い副作用につながるおそれがあります。
- お子さまの解熱には、一般的に アセトアミノフェン が使われます
- 市販のかぜ薬や解熱鎮痛薬の中には、こうした成分を含むものがあります
- 自己判断で家にある薬を使う前に、医師・薬剤師にご相談ください
⚠️ 発症後2日間は「異常行動」に注意
インフルエンザにかかると、お薬の有無や種類にかかわらず、急に走り出す・飛び降りようとするなどの異常行動が起こることがあります(特に就学以降の小児・未成年者の男性で多く報告されています)。
発熱から少なくとも2日間は、
- 玄関とすべての部屋の窓のカギを確実にかける
- ベランダに面していない部屋で寝かせる(一戸建てなら、できるだけ1階で)
- 窓に格子のある部屋があれば、そこで寝かせる
などの対策をお願いします。
こんなときは医療機関へ
次のような症状があれば、すぐに受診してください(夜間・休日でも)。
- 呼吸が苦しい、息が速い
- 意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が鈍い
- けいれんを起こした
- 嘔吐を繰り返す、水分がとれない
- 顔色が悪い、唇が紫色
- いったん下がった熱がまた上がった
また、高齢の方・持病のある方・妊娠中の方・小さなお子さまは、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
受診に迷ったら電話で相談を
夜間や休日に「病院へ行くべき?救急車を呼ぶべき?」と迷ったときは、群馬県・栃木県・埼玉県のいずれも救急電話相談 #7119 が利用できます(対象年齢や受付時間は県によって異なります)。お子さまのことなら、全国共通のこども医療電話相談 #8000 も利用できます。
💡 受診する前には、電話で症状を伝えてから行くと、ほかの患者さんへの感染を防げます。 発熱してすぐ(12時間以内など)は、検査でウイルスが検出されにくいことがあります。
学校・仕事はいつから行ける?
学校保健安全法では、出席停止の期間を次のように定めています。
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」
かんたんに言うと
次の2つの「休む期間」が、どちらも終わった日から登校できます。
- 発症した日の翌日から5日間は休む
- 熱が下がった日の翌日から2日間は休む(幼児は3日間)
※「発症した日」と「熱が下がった日」そのものは、日数に数えません。
例)水曜日に熱が下がった場合 木曜日・金曜日の2日間は休み、土曜日から登校できます(幼児は木・金・土を休んで日曜日から)。 ただし、発症した日の翌日から5日間が過ぎていない場合は、そちらが終わるまで休みます。
日付を入れて計算できます
発症した日と熱が下がった日を入れると、登校・出勤できる日がわかります。
いつから学校・仕事に行ける?
発症した日と熱が下がった日を入れると、登校・出勤できる日がわかります。
※ 学校保健安全法施行規則の出席停止期間「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」にもとづく目安です。
※「熱が下がった日」は、解熱剤を使わずに平熱に戻った日を入れてください。
※ 大人には法律上の決まりはありません。職場のルールを確認してください。最終的な判断は、医師や学校・園の指示に従ってください。
早見表:熱が下がった日ごとの登校できる日
発症した日を「0日目」とした場合です。
| 熱が下がった日 | 小学生以上(解熱後2日) | 幼児(解熱後3日) |
|---|---|---|
| 1日目 | 6日目から | 6日目から |
| 2日目 | 6日目から | 6日目から |
| 3日目 | 6日目から | 7日目から |
| 4日目 | 7日目から | 8日目から |
| 5日目 | 8日目から | 9日目から |
例) 火曜日(0日目)に発症し、木曜日(2日目)に熱が下がった小学生は、翌週の月曜日(6日目)から登校できます。
熱が下がってもしばらくはウイルスを出していることがあります。大人には法律上の決まりはありませんが、職場のルールを確認したうえで、この期間をひとつの目安にしてください。
よつば調剤グループからひとこと
よつば調剤グループは、群馬県・栃木県・埼玉県で地域の皆さまの健康をサポートしている調剤薬局です。
「処方されたお薬の飲み方が不安」「市販薬を使ってもいい?」「ワクチンはいつ打てばいい?」など、どんな小さなことでもお気軽に薬剤師にご相談ください。処方箋がなくても、ご相談だけのご来局も歓迎しています。
インフルエンザは全国で例年より早く流行しています。早めの予防接種と日々の対策で、元気に冬を迎えましょう。
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※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や治療については、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
